TOP > CATEGORY − B-2それは突然に
その店は、課長がよく利用していたスナックで、私も会社の人たちと何度か訪れたことがありました。
この店でも右隣に課長が座ったので、私は安心しました。
左前のスツールには次長が座りました。
正面の席では、工事部課長代理がこちらに背を向け、さっそくカラオケを歌いはじめました。
支店長はカウンターでホステスと話をしていました。
この店のママが来て、課長の隣に腰をおろしました。まだ二十代半ばの若いママで、ずいぶん酔っているようでした。
その後もずっと続く課長代理のカラオケを聴きながら課長と話していたら、支店長が店を出て行くのに気がつきました。
店に来てから三十分ほどしか経っていなかったのに、帰ったらしいのです。
自分だけ何も言わずに帰るとは卑怯だ、と私が腹を立てていると、この店のホステスが来て、次長の隣に座りました。彼女もかなり酒を飲んでいたらしく、ふらふらしていました。
ホステスは、次長のグラスにウイスキーをたっぷり足し、次長の頭を押さえつけ、そのかなり濃い酒を次長に飲ませ始めました。
「飲ませちゃだめだよ。次長、酒、弱いんだから」
と課長が止めましたが、ホステスの悪ふざけは続きました。
彼女はその後も、さらに酒を足しては、面白がって次長に飲ませていました。
私はこのままではいけないと思い、必死にグラスに水を足ししたけれどあまり薄まらず、ほとんど無駄なようでした。
次長は酒が飲めないはずなのに、一切抵抗せず、ホステスにされるままでいるのが私には理解できませんでした。
ホステスに頭を抱えられた次長は、まるで腹話術の人形みたいでした。その顔は異様に歪んでいて、気味が悪かったです。
私は、次長が酔っていようが、こっちに被害がなければそれでいいと思いました。
しかし帰るときに、介抱する役目が私にまわってくるかもしれません。
それを考えると、ホステスにも、抵抗しない次長にも、文句を言ってやりたかったのですが、それは我慢しました。
やがて次長は、ホステスのひざに頭をのせて横になりました。
ホステスのほうは、その横山の顔に濡れたおしぼりをかぶせて遊びだしました。
けれども、それには工事部課長代理も気がついて本気でホステスを叱ったから、次長が窒息死することはなくなりました。
それから、ホステスは突然、次長の股間の辺りに手を伸ばしました。
私がわが目を疑いながら見ると、彼女の手は、次長の股間をもぞもぞと探っていました。
私は絶句しました。
こんなことがあっていいのか……?
私にとっては信じられない光景で、かなりショックを受けました。
隣で、課長も驚いているようでした。
「やめなさいって」課長が注意しました。
それでも彼女は、しきりに次長の股間を揉んで、それに何か変化があったのか、今度ははしゃいで、私と課長も触るように、と合図しました。
「ええ? どれどれ」
と課長が手を伸ばしかけたので、私はその手を押し戻しました。
私が課長を制しているうちに、ホステスは再び次長の股間を触っていました。
私は腹が立ってきました。
そこまでして、この女はどこまで責任を取れるのだ?
こっちの立場も考えろ!
しばらくすると、ホステスは飽きたのか、ようやく次長の股間から手を離しました。
私はひとまずほっとしました。
すると今度は、それまで課長の隣でワインをガバガバ飲んでいたママが、課長の手を取り、彼女の胸に当てました。
私の不快感はピークに達しました。
ここはお触りバーか!?
こんな店、もう絶対に来るものか!
前にこの店に来たときには、こんなことは一度もなかったのです。上品な店とは言えないにしても、どこにでもある、ごくありふれた普通のスナックと思っていました。
それなのに、この夜は特別乱れていたのです。
最後の頼りは課長代理だけだったけれど、相変わらずカラオケに夢中で、まったく気がついていませんでした。
私は、こんな場所に私を置き去りにしていった支店長を呪いました。
この店でも右隣に課長が座ったので、私は安心しました。左前のスツールには次長が座りました。
正面の席では、工事部課長代理がこちらに背を向け、さっそくカラオケを歌いはじめました。
支店長はカウンターでホステスと話をしていました。
この店のママが来て、課長の隣に腰をおろしました。まだ二十代半ばの若いママで、ずいぶん酔っているようでした。
その後もずっと続く課長代理のカラオケを聴きながら課長と話していたら、支店長が店を出て行くのに気がつきました。
店に来てから三十分ほどしか経っていなかったのに、帰ったらしいのです。
自分だけ何も言わずに帰るとは卑怯だ、と私が腹を立てていると、この店のホステスが来て、次長の隣に座りました。彼女もかなり酒を飲んでいたらしく、ふらふらしていました。
ホステスは、次長のグラスにウイスキーをたっぷり足し、次長の頭を押さえつけ、そのかなり濃い酒を次長に飲ませ始めました。
「飲ませちゃだめだよ。次長、酒、弱いんだから」
と課長が止めましたが、ホステスの悪ふざけは続きました。
彼女はその後も、さらに酒を足しては、面白がって次長に飲ませていました。
私はこのままではいけないと思い、必死にグラスに水を足ししたけれどあまり薄まらず、ほとんど無駄なようでした。
次長は酒が飲めないはずなのに、一切抵抗せず、ホステスにされるままでいるのが私には理解できませんでした。
ホステスに頭を抱えられた次長は、まるで腹話術の人形みたいでした。その顔は異様に歪んでいて、気味が悪かったです。
私は、次長が酔っていようが、こっちに被害がなければそれでいいと思いました。
しかし帰るときに、介抱する役目が私にまわってくるかもしれません。
それを考えると、ホステスにも、抵抗しない次長にも、文句を言ってやりたかったのですが、それは我慢しました。
やがて次長は、ホステスのひざに頭をのせて横になりました。
ホステスのほうは、その横山の顔に濡れたおしぼりをかぶせて遊びだしました。
けれども、それには工事部課長代理も気がついて本気でホステスを叱ったから、次長が窒息死することはなくなりました。
それから、ホステスは突然、次長の股間の辺りに手を伸ばしました。
私がわが目を疑いながら見ると、彼女の手は、次長の股間をもぞもぞと探っていました。
私は絶句しました。
こんなことがあっていいのか……?
私にとっては信じられない光景で、かなりショックを受けました。
隣で、課長も驚いているようでした。
「やめなさいって」課長が注意しました。
それでも彼女は、しきりに次長の股間を揉んで、それに何か変化があったのか、今度ははしゃいで、私と課長も触るように、と合図しました。
「ええ? どれどれ」
と課長が手を伸ばしかけたので、私はその手を押し戻しました。
私が課長を制しているうちに、ホステスは再び次長の股間を触っていました。
私は腹が立ってきました。
そこまでして、この女はどこまで責任を取れるのだ?
こっちの立場も考えろ!
しばらくすると、ホステスは飽きたのか、ようやく次長の股間から手を離しました。
私はひとまずほっとしました。
すると今度は、それまで課長の隣でワインをガバガバ飲んでいたママが、課長の手を取り、彼女の胸に当てました。
私の不快感はピークに達しました。
ここはお触りバーか!?
こんな店、もう絶対に来るものか!
前にこの店に来たときには、こんなことは一度もなかったのです。上品な店とは言えないにしても、どこにでもある、ごくありふれた普通のスナックと思っていました。
それなのに、この夜は特別乱れていたのです。
最後の頼りは課長代理だけだったけれど、相変わらずカラオケに夢中で、まったく気がついていませんでした。
私は、こんな場所に私を置き去りにしていった支店長を呪いました。




