『セクシュアルハラスメント』と『セカンドハラスメント(二次的嫌がらせ)』の被害者の声です。
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カテゴリー名「行政への駆け込み」の「N氏の友人」からの続きです。


私とI氏が裁判について話し合っているのを聞いていたN氏が、もう我慢できないと言わんばかりにそわそわと体を動かして、
「もう、めんどくさいからさ、なんだったら俺が出て行ってもいいと思ってるんだ。会社に乗り込んでいって、文句言ってやるよ」
N氏はまわりくどいことを好みません。行動力もありました。けれど、そんなことを彼にさせるわけにはいきませんでした。
私は彼を止めようと口をひらきかけました。
が、先にI氏が言いました。
「いや、Nさん、それはだめだよ」
「え、やっぱりだめ?」
N氏は、とぼけた顔をしていました。
I氏は真顔のままで、N氏を諫めました。
「うん、それをやったら、まずいんだよ。脅迫されたって言われるよ。向こうはそれを武器にして強く出てくるだろうね。そしたらさ、こっちの立場が余計にまずくなるだけだよ。だからNさんは絶対に出て行っちゃだめだ」
「そうだよねえ、脅迫されたって言われるよね」
N氏は残念そうに言いました。

そのとき、ふいに、私の斜め後ろのテーブル席から、女性の話し声が聞こえてきました。

「うちの会社でセクハラがあったの」

なんてタイムリーな話題。
このやんごとなきセリフに、私とN氏は同時に緊張しました。I氏はそうでもありませんでした。
私とN氏は、示し合わせたわけではないけれど、ふたり一緒に、声の主のほうへと身をよじり、さりげなく盗み見ました。

その若い女性は、連れの女性に向かって、会社でのセクハラ事件の説明をはじめました。が、内容のほうは聞き取ることができませんでした。私たちの視線を鋭く感じ取ったその女性が、声を潜めてしまったからです。

私とN氏は、また一緒にテーブルへと向き直りました。
「どこにでも、あるんだね……」
とN氏が言ったので、私はため息が出そうになりました。

日本だけで考えても、全国各地で何件のセクハラがあるのでしょうか。被害者が泣き寝入りして表面化してこない場合のほうが多いから正確にわからないにしても、気が遠のくほどの数だということは判然とわかります。実際、こうして私がセクハラの話をしていたときに、同じ店でほかのセクハラが話題にのぼる偶然が発生してしまったくらいですから。

I氏は、私たちが偵察を終えるのを待っていてくれました。
その彼にN氏が言いました。
「でもさ、裁判なんかしなくたって、Iくんだったら、人ひとりの存在くらい簡単に消せるよね?」
I氏が答えます。
「うん、できるよ。方法はいろいろあるけど、たとえば──」

と、ここからの会話はかなりきわどい衝撃的な内容となるため、道徳的観点から割愛させていただきます。


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