いよいよ会長が支店に来ました。
会長は、ふたりだけで話ができるように、私を外へ連れ出しました。
そこは、近くのホテルの一階フロアにある喫茶店でした。
ロビーと空間がつながっていて、天井が高く、外に面したガラス張りの窓は大きくて、開放感のあるスペースとなっていました。
やや低めのテーブル席には、ゆったりとくつろげるような椅子が置かれていました。
私と会長は、窓際のひときわ明るい場所に、向かい合わせに座りました。
ウェイトレスが来て、オーダーを済ませて去っていくと、会長が言いました。
「迷惑しています」
いきなり言われて、私はきょとんとなりました。
この一言だけでは意味がわかりませんでした。誰に迷惑しているかという説明が抜けています。でも、私に言うのだから、私のことだろうと思いました。
それにしても意味がわかりません。
私のほうがセクハラをされて迷惑していたのに、その私が迷惑だというのか?
このような会長の思考回路についていけなくて、私はポカンと彼の顔を見つめていました。
それから会長は、この件についてはどこかに置きっぱなしにして、東京支店の女性社員(私の所属していた支店とは異なります)との話を嬉しそうに語りはじめました。
彼は、東京支店の女性社員と、携帯でメールのやりとりをしていると言い、その内容について懸命に説明をしながら、私にメール画面を見せてきました。
私はひきつりながらも、にこやかに相手をしました。
注文した紅茶が運ばれてきたけれど、集中力と勘を必要とする会長との会話の中では、一息つける場面はありませんでした。
会長はひとりで盛りあがっていました。
彼女たちとは、飲みに行った先でキスをしたり、彼女たちをひとりずつ買い物に連れ出しては高い服を買ってやったりしているという話も聞かされました。
ほかにも、会長が東京都内に借りているマンションに、会長の一番のお気に入りと思われる女性社員が遊びにきたときのことを、
「あ、あのコがね、ベッドの上でぴょんぴょん跳ねるんですよ。やや、やめろって言ってもね、やめないで遊んでるんですよ」
と、それは嬉しそうに話していました。
愛人関係にあるのだろうか?
ついには、私に対しても、買い物に行こうと誘ってきました。
私がやんわり断っても、会長がしつこく誘うから、私は社交辞令として、それと、逃げ口上のつもりでこう言いました。
「では、支店の三人(M美とF子と私)を一緒に連れて行ってください」
すると、予想に反して、土井の怒りに触れてしまいました。
「そ、そ、それはだめですよ。ひ、ひとりずつじゃないとだめなんです。ささ、三人はだめです。なな、何を言ってるんですか。ひひ、ひとりずつじゃないと楽しくないですよ。ひ、ひとりずつ、こ、交替で行きましょう」
私は、彼の剣幕にひるみ、なんでこうなるの、と思いながら、黙って彼の主張を聞いていました。
会長は、ふたりだけで話ができるように、私を外へ連れ出しました。
そこは、近くのホテルの一階フロアにある喫茶店でした。
ロビーと空間がつながっていて、天井が高く、外に面したガラス張りの窓は大きくて、開放感のあるスペースとなっていました。
やや低めのテーブル席には、ゆったりとくつろげるような椅子が置かれていました。
私と会長は、窓際のひときわ明るい場所に、向かい合わせに座りました。
ウェイトレスが来て、オーダーを済ませて去っていくと、会長が言いました。
「迷惑しています」
いきなり言われて、私はきょとんとなりました。
この一言だけでは意味がわかりませんでした。誰に迷惑しているかという説明が抜けています。でも、私に言うのだから、私のことだろうと思いました。
それにしても意味がわかりません。
私のほうがセクハラをされて迷惑していたのに、その私が迷惑だというのか?
このような会長の思考回路についていけなくて、私はポカンと彼の顔を見つめていました。
それから会長は、この件についてはどこかに置きっぱなしにして、東京支店の女性社員(私の所属していた支店とは異なります)との話を嬉しそうに語りはじめました。
彼は、東京支店の女性社員と、携帯でメールのやりとりをしていると言い、その内容について懸命に説明をしながら、私にメール画面を見せてきました。
私はひきつりながらも、にこやかに相手をしました。
注文した紅茶が運ばれてきたけれど、集中力と勘を必要とする会長との会話の中では、一息つける場面はありませんでした。
会長はひとりで盛りあがっていました。
彼女たちとは、飲みに行った先でキスをしたり、彼女たちをひとりずつ買い物に連れ出しては高い服を買ってやったりしているという話も聞かされました。
ほかにも、会長が東京都内に借りているマンションに、会長の一番のお気に入りと思われる女性社員が遊びにきたときのことを、
「あ、あのコがね、ベッドの上でぴょんぴょん跳ねるんですよ。やや、やめろって言ってもね、やめないで遊んでるんですよ」
と、それは嬉しそうに話していました。
愛人関係にあるのだろうか?
ついには、私に対しても、買い物に行こうと誘ってきました。
私がやんわり断っても、会長がしつこく誘うから、私は社交辞令として、それと、逃げ口上のつもりでこう言いました。
「では、支店の三人(M美とF子と私)を一緒に連れて行ってください」
すると、予想に反して、土井の怒りに触れてしまいました。
「そ、そ、それはだめですよ。ひ、ひとりずつじゃないとだめなんです。ささ、三人はだめです。なな、何を言ってるんですか。ひひ、ひとりずつじゃないと楽しくないですよ。ひ、ひとりずつ、こ、交替で行きましょう」
私は、彼の剣幕にひるみ、なんでこうなるの、と思いながら、黙って彼の主張を聞いていました。




