『セクシュアルハラスメント』と『セカンドハラスメント(二次的嫌がらせ)』の被害者の声です。
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その後、一カ月ほど様子をみました。
次長が支店に来なくなったものの、事務所に電話はかかってきていました。
最初のうちは運よく私が受けずに済んでいました。
が、M美とふたりだけだったときに、とうとうその電話を私が取ってしまいました。

受話器を手に、私は固まりました。

次長がなぜ電話してこられるのか――その神経が信じられなかったものの、もしかしたら、支店長の忠告を受けて謝るのかもしれないと思いました。

しかし、次長は謝りませんでした。
彼は何もなかったかのごとく、電話をM美に取り次ぐように言ってきました。

私は怒りのために声を出せずにいました。

すると次長は、「もしもし?」と言いました。
私が黙っていることに対する問いかけの「もしもし?」です。その理由は次長が一番わかっていなければならないというのに、どれだけ人をバカにした態度でしょうか。

このとき、私の手が、受話器と一緒にわなわなと震えだしました。
怒りのせいで体が震えたのは、生まれて初めてでした。

「もしもし?」
次長が、さっきと同じに問いかけました。

私は、ブルブルブルブル震えて止まらなくなりました。まるで、テレビのコントでコメディアンがふざけてやるみたいに、ずっと震えていたのです。


「もしもし?」


私は烈火となりました。
言葉を発せられる状態ではないから、できたことはひとつだけ。
私は力の限りに受話器を叩きつけました。二度、三度と、自分も電話も壊れんばかりに。
ほんとうに壊れなかったのが不思議でした。

それからM美を見てみたら、彼女はけっしてこちらを見ようとはしませんでした。



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