『セクシュアルハラスメント』と『セカンドハラスメント(二次的嫌がらせ)』の被害者の声です。
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エレベーターの中では、次長は静かでした。

ですが今度は支店長が、私の横から体をすり寄せてきました。

一難去ってまた一難、セクハラ去ってまたセクハラです。最悪でした。

ただでさえ暑い中、支店長の体温と新たな怒りのせいで、私は余計に熱くなりました。
支店長がふざけているだけだとしても、私に耐える筋はありません。
「暑苦しいっ」
私は顔をしかめて、そう吐き捨てました。

「暑苦しいいー!?」

と支店長は不本意とばかりに怒り、私から離れました。
が、さらに憤然として、

「なんだよ、暑苦しいって」

と文句を言いました。

その身勝手な言動に私は辟易しました。ですが、それ以上は何もされませんでした。
私は(このたぬきおやじ)と怒る反面、それでも次長の厄介もっかいと比べたら、支店長の反応のほうがまだマシかもしれないと考えました。
もちろん支店長のしたことは許せませんでした。が、拒否されてもやめない次長は、始末が悪い分もっと許しがたかったのです。
私には、次長が特異だとしか考えられませんでした。
次長の常識(セクハラ行為に常識もへったくれもないのだが)は、普通ではないと思いました。


表に出ると、通りにはたくさんのタクシーが停まっていました。
私はさっさと目の前のタクシーに乗り込みました。運転手に行き先を告げ、走り出す前に窓の外を見ました。

支店長と次長が、楽しそうに笑っていました。
私は無理に笑顔を作って、軽く頭を下げました。


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