「もう一軒行く?」
寿司屋を出て、歩き出すと、やはり支店長が言いました。
私は気が進まなかたものの、断ってもどうせしつこく誘われることにうんざりしていました。
それに、きょうは支店長がいるので、次長もさすがに何もしないだろうと思いました。さっきの寿司屋でも、触られることはまったくなかったのだし。
それでも私は、主張だけはすることにしました。
「でも私、『○○○(スナックAの店名)』は嫌です」
次長が初めて私の手を握ってきたスナックのことです。
「私、あの店にはもう二度と行きたくありません!」
私はきっぱり言いました。
すると次長が私の隣にぴったりついて、
「そんなこと言わないでよう」
と、まるで恋人のような口調でした。
この男は、何か勘違いをしていないか?
私が腹を立てている理由がわかっていないのではないだろうか。
私は気持ち悪くなり、次長を無視しました。
が、そんなことはおかまいなしに次長は言いました。
「じゃあ、あの店は? 前にみんなで行ったところ──『○○○(スナックBの店名)』だっけ?」
あの店は、課長が支店長に隠れて通っているところでした。
もし支店長に知られたら、店で大騒ぎされてメチャメチャにされるからか、それとも自分の目当てのホステスを横取りされると思ってか、とにかく支店長には秘密の、課長の憩いの場所でした。
次長もそれを知っているはずだが、
「ねえ、『○○○』に行こうよ」
と、悪びれる様子もありませんでした。
私は軽蔑を含んだ声で、
「あの店は、支店長には秘密なんですよ」
しかし、次長との会話はすでに支店長に筒抜けだったので、まるで意味がありませんでした。
課長、ごめんなさい。
私がばらしたわけではないけれど、なんとなく責任を感じました。
それにしても、次長はなんて軽薄な男なのでしょう。
その内容がどうであれ、他人の秘密をペラペラとしゃべる人間が、私は大嫌いです。
「なに? ○○○? そこに行こうよ。どこにあるの?」
気を悪くしたかはわからなかったけれど、支店長はそう言うと、私と次長に案内を任せました。
寿司屋を出て、歩き出すと、やはり支店長が言いました。
私は気が進まなかたものの、断ってもどうせしつこく誘われることにうんざりしていました。
それに、きょうは支店長がいるので、次長もさすがに何もしないだろうと思いました。さっきの寿司屋でも、触られることはまったくなかったのだし。
それでも私は、主張だけはすることにしました。
「でも私、『○○○(スナックAの店名)』は嫌です」
次長が初めて私の手を握ってきたスナックのことです。
「私、あの店にはもう二度と行きたくありません!」
私はきっぱり言いました。
すると次長が私の隣にぴったりついて、
「そんなこと言わないでよう」
と、まるで恋人のような口調でした。
この男は、何か勘違いをしていないか?
私が腹を立てている理由がわかっていないのではないだろうか。
私は気持ち悪くなり、次長を無視しました。
が、そんなことはおかまいなしに次長は言いました。
「じゃあ、あの店は? 前にみんなで行ったところ──『○○○(スナックBの店名)』だっけ?」
あの店は、課長が支店長に隠れて通っているところでした。
もし支店長に知られたら、店で大騒ぎされてメチャメチャにされるからか、それとも自分の目当てのホステスを横取りされると思ってか、とにかく支店長には秘密の、課長の憩いの場所でした。
次長もそれを知っているはずだが、
「ねえ、『○○○』に行こうよ」
と、悪びれる様子もありませんでした。
私は軽蔑を含んだ声で、
「あの店は、支店長には秘密なんですよ」
しかし、次長との会話はすでに支店長に筒抜けだったので、まるで意味がありませんでした。
課長、ごめんなさい。
私がばらしたわけではないけれど、なんとなく責任を感じました。
それにしても、次長はなんて軽薄な男なのでしょう。
その内容がどうであれ、他人の秘密をペラペラとしゃべる人間が、私は大嫌いです。
「なに? ○○○? そこに行こうよ。どこにあるの?」
気を悪くしたかはわからなかったけれど、支店長はそう言うと、私と次長に案内を任せました。




