『セクシュアルハラスメント』と『セカンドハラスメント(二次的嫌がらせ)』の被害者の声です。
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支店の会議室からは、会長たちの声が聞こえていました。
まだ話は尽きないようでした。

しばらくすると、会議室にいたM美がやってきて言いました。
「会長が食事に行きましょうって」
私はがっかりして、ため息が出そうになりました。
M美が続けます。
「それと、課長を呼ぶように言われたんだけど、課長、来るかな」

課長とは、つい先日会社を辞めたばかりの男性でした。
以後は委託社員として、仕事のほうは引き継いでしていました。
彼はとても人がいいのですが、仕事でのミスが目立ちました。
ついに会長に目をつけられ、辞めるように追い込まれました。

私も課長のミスにいらついたことがありましたけれど、人柄はよく、心からは憎めない人でした。
入社時期は私とほぼ同じで、一緒にがんばってきたので少々複雑でした。
会長に相当いじめられたことでしょう。
この日に呼び出そうというのも、会長の嫌がらせみたいなものでした。

「来ないんじゃないですか」
私がそう言っても、M美は受話器を取ると、課長の携帯電話の短縮ボタンを押しました。

私は驚きました。
それが会長命令だとしても、連絡が取れないなどと言って、いくらでも課長をかばうことはできるはずです。
たしかに、もしそれが会長にばれたら、かばった者が大変な目にあうのはわかります。
しかし、それがそんなにこわいのでしょうか。

私がそう考えているあいだにも、M美は課長に用件を伝え終えると、電話を切ってこう言いました。
「課長、来るって」
私はさらに驚きました。
さすがの課長でも断ると思ったのですが、サラリーマンとはそういうものなのかもしれません。

それから会議室から次長が来て、
「Kちゃん(課長の愛称)、来るって?」
次長の期待のこもった表情に、私は嫌悪を感じました。

次長は、課長が来れば、二次会でスナックへ行けるとでも思っていたのでしょう。

F子が以前、次長と課長がスナック通いに夢中になっている、と言っていました。

課長が来ると知り、ニヤついている次長から、私は目をそらしました。


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