TOP > CATEGORY − B-13裁判
九月一日。前日まで薄暗かった空が晴れわたり、久しぶりの夏日となりました。七月中は、フェーン現象で気温三十度を超す猛暑が続いていましたが、八月に入ってからは、長袖のシャツをタンスから引っ張り出して着るほど、肌寒い日が多くなっていました。あまり暑すぎるのは苦手だったけれど、久々に感じる陽気はとても心地よく感じられました。
この日は週末で、当時単身赴任中だった父がわが家に帰ってきていました。母はパートのため不在でした。
ふたりで昼に弁当を食べ、再放送のバラエティー番組を見ていると、
「××子、RVの中古車を見に行かないか」
と父が言いました。
家から滅多に出なくなっていた私を少しでも外に連れ出そうと考えてか、時々父はこんな誘いを持ちかけました。私は乗り気ではなかったものの、せっかくの誘いを断ることができませんでした。というわけで、それから支度をして、車で出かけることになりました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
家に戻ったのは夕方でした。車を車庫入れしている父より一足先に玄関に行き、ポストの中身を取り出しました。数通のはがきと、見覚えのある封筒が一通入っていました。封筒は法律事務所が私に宛てたもので、消印は昨日になっていました。急いで鍵を開け、玄関を通り抜けると、そのまま封筒だけ持って二階の自室で中身を取り出しました。手紙が一枚入っていました。
前略
本日第1回の裁判がありましたので、ご報告いたします。
本日の裁判は被告側は裁判所に来ませんでした。
被告は、既に答弁書を出しているので、第1回に限っては来なくても良いことになっています。
次回は10月17日になりました。
こちら側の次回までの準備として、××子さんの当時の事情を説明した書類を出すことなどですが(具体的には私が文書は作ります)、被告の書面で、こちら側に対する質問事項がありますので、これらに回答することも含め、一度事務所で打ち合わせをしたいと思います。
9月12日(水)午後13時30分はいかがでしょうか。
ご都合をご連絡ください。
私は拍子抜けしました。第一回目の裁判が昨日だったとは知らなかったからです。ふと、一年ほど前に放送された裁判物のテレビドラマを思い出しました。第一回目の裁判が、形式だけで五分程度で終わってしまい、主人公がこのときの私と同じように拍子抜けしていました。
依頼人は来るまでもない、との弁護士の判断だったのでしょう。そして、このあとの数回の裁判にも、私はその必要がないので出席していません。そのため、裁判の流れは、書面とM弁護士の話で追っていくこととなります。
この日は週末で、当時単身赴任中だった父がわが家に帰ってきていました。母はパートのため不在でした。
ふたりで昼に弁当を食べ、再放送のバラエティー番組を見ていると、
「××子、RVの中古車を見に行かないか」
と父が言いました。
家から滅多に出なくなっていた私を少しでも外に連れ出そうと考えてか、時々父はこんな誘いを持ちかけました。私は乗り気ではなかったものの、せっかくの誘いを断ることができませんでした。というわけで、それから支度をして、車で出かけることになりました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
家に戻ったのは夕方でした。車を車庫入れしている父より一足先に玄関に行き、ポストの中身を取り出しました。数通のはがきと、見覚えのある封筒が一通入っていました。封筒は法律事務所が私に宛てたもので、消印は昨日になっていました。急いで鍵を開け、玄関を通り抜けると、そのまま封筒だけ持って二階の自室で中身を取り出しました。手紙が一枚入っていました。
前略
本日第1回の裁判がありましたので、ご報告いたします。
本日の裁判は被告側は裁判所に来ませんでした。
被告は、既に答弁書を出しているので、第1回に限っては来なくても良いことになっています。
次回は10月17日になりました。
こちら側の次回までの準備として、××子さんの当時の事情を説明した書類を出すことなどですが(具体的には私が文書は作ります)、被告の書面で、こちら側に対する質問事項がありますので、これらに回答することも含め、一度事務所で打ち合わせをしたいと思います。
9月12日(水)午後13時30分はいかがでしょうか。
ご都合をご連絡ください。
草々
私は拍子抜けしました。第一回目の裁判が昨日だったとは知らなかったからです。ふと、一年ほど前に放送された裁判物のテレビドラマを思い出しました。第一回目の裁判が、形式だけで五分程度で終わってしまい、主人公がこのときの私と同じように拍子抜けしていました。
依頼人は来るまでもない、との弁護士の判断だったのでしょう。そして、このあとの数回の裁判にも、私はその必要がないので出席していません。そのため、裁判の流れは、書面とM弁護士の話で追っていくこととなります。




