TOP > CATEGORY − B-3災難ふたたび
次長によるセクハラ被害にあってから一カ月ほどのち、私たちは、あるスナック(以下、「スナックB」とします)を訪れました。
そこは課長が新たに見つけ出した店で、F子もよく来ているらしかったです。
私は以前に、F子に誘われて訪れたことがありました。
そのときはF子とふたりきりでしたが、この日は次長と工事部課長代理も一緒でした。
次長と同席するのはイヤでした。
けれど、私たち支店の者には「本社や他の支店からやってき人たちをねぎわなくてはならない」という暗黙のルールがあったんです。
もしも逆らえば、「協調性がない」だとか「わがままだ」などど批判されてしまうわけです。
OLってけっこう大変なんですよ。
そういうしがらみの中で、本社の人間を接待しなきゃいけなかったんです。
私たちは、一番奥のテーブル席に案内されました。
私とF子は、ソファの中央に隣り合わせに腰を下ろしました。
そのあと次長が、空いている私の左隣に座りました。
そのさらに左には、課長代理が座りました。
次長が私の隣に座ったのは偶然かどうか考えると、私は嫌な気持ちになりました。
「あたし、カラオケ歌う」
カラオケ好きなF子は、さっそく歌本をひらいて、曲を探し始めました。
私もF子に言われて、もう一冊の本から曲を探しました。
私とF子は、一、二曲歌ってから、課長代理と次長にもカラオケをすすめました。
課長代理は酒も歌もいけるくちでしたが、次長は苦手らしく、渡された歌本を私に押しつけてきました。
仕方なく私がまた曲探しをしていると、
「ちょっと、これ見せてよ」
と言って次長は、私の左手から指輪を無理に抜き取りました。
私はわけもわからず、次長の手にある、奪われた指輪を見つめました。
「これ、どうしたの」
次長のその質問に答える義務などありません。けれど、指輪を取り戻すため、私は答えました。
「前の彼氏にもらったものです。返してください」
私は指輪を返してもらおうと手を出しました。
が、次長はそれをかわして、大声で言ったのです。
「俺、こういうの嫌なんだよー!」
何の権利があってそんなことを言うのか、しかもなかなか指輪を返してもらえず、私は泣きたくなってきました。
腹が立つやら情けないやらで、それでも私は粘りました。
「返してください!」
次長は根負けして、やっと指輪を返してきました。
私は指輪を元どおりはめると、次長から完全に目をそらしました。
そこは課長が新たに見つけ出した店で、F子もよく来ているらしかったです。
私は以前に、F子に誘われて訪れたことがありました。
そのときはF子とふたりきりでしたが、この日は次長と工事部課長代理も一緒でした。
次長と同席するのはイヤでした。
けれど、私たち支店の者には「本社や他の支店からやってき人たちをねぎわなくてはならない」という暗黙のルールがあったんです。
もしも逆らえば、「協調性がない」だとか「わがままだ」などど批判されてしまうわけです。
OLってけっこう大変なんですよ。
そういうしがらみの中で、本社の人間を接待しなきゃいけなかったんです。
私たちは、一番奥のテーブル席に案内されました。
私とF子は、ソファの中央に隣り合わせに腰を下ろしました。
そのあと次長が、空いている私の左隣に座りました。
そのさらに左には、課長代理が座りました。
次長が私の隣に座ったのは偶然かどうか考えると、私は嫌な気持ちになりました。
「あたし、カラオケ歌う」
カラオケ好きなF子は、さっそく歌本をひらいて、曲を探し始めました。
私もF子に言われて、もう一冊の本から曲を探しました。
私とF子は、一、二曲歌ってから、課長代理と次長にもカラオケをすすめました。
課長代理は酒も歌もいけるくちでしたが、次長は苦手らしく、渡された歌本を私に押しつけてきました。
仕方なく私がまた曲探しをしていると、
「ちょっと、これ見せてよ」
と言って次長は、私の左手から指輪を無理に抜き取りました。
私はわけもわからず、次長の手にある、奪われた指輪を見つめました。
「これ、どうしたの」
次長のその質問に答える義務などありません。けれど、指輪を取り戻すため、私は答えました。
「前の彼氏にもらったものです。返してください」
私は指輪を返してもらおうと手を出しました。
が、次長はそれをかわして、大声で言ったのです。
「俺、こういうの嫌なんだよー!」
何の権利があってそんなことを言うのか、しかもなかなか指輪を返してもらえず、私は泣きたくなってきました。
腹が立つやら情けないやらで、それでも私は粘りました。
「返してください!」
次長は根負けして、やっと指輪を返してきました。
私は指輪を元どおりはめると、次長から完全に目をそらしました。




